内部監査規程の改定案を読み込んでいた監査等委員が、第2条で付箋を貼りました。「当社の内部監査は、一般社団法人日本内部監査協会の定める内部監査基準に準拠する」。次の委員会で、委員はこう問いかけます。「国際的には新しい基準が発効したと聞きました。日本の基準に準拠していれば、それで十分なのですか。それとも両方が必要なのですか」。
内部監査室長は即答できませんでした。10年以上前に作られた規程は、日本の基準の章立てに沿って書かれています。一方、監査法人との打ち合わせでは「グローバル内部監査基準」の話題が増え、協会からは「適用ガイダンス」の公表案内も届いています。二つの基準はどういう関係にあり、自社の規程には何と書けばよいのか。
これは架空のモデルケースですが、多くの内部監査部門で実際に交わされている問いです。本記事では、日本内部監査協会(IIA-Japan)の「内部監査基準」と、内部監査人協会(IIA)の「グローバル内部監査基準(GIAS)」の成り立ちと構成を比べ、主な相違点と、規程で準拠基準をどう書くかを整理します。
この記事の要点
- 日本の「内部監査基準」は1960年制定、2014年に最新の改訂が行われ、同年6月1日から適用されています。2014年改訂は、日本の基準への準拠が基本的に IIA の国際基準への準拠にもなるよう改訂してきた方針を踏襲しています
- GIAS は2025年1月9日に発効した IIA の国際基準です。日本内部監査協会は、GIAS を日本の上場企業に適用するための「適用ガイダンス」を2026年6月から順次公表しています
- 大きな違いは、取締役会・最高経営者の「必須条件」、職務上の取締役会直属、内部監査の戦略とパフォーマンス測定、品質の外部評価の要件などです
- 日本の機関設計では、GIAS の「取締役会(board)」を監査役会や監査等委員会との関係で読み替える必要があります
- 規程では、準拠する基準と優先関係、法令と矛盾した場合の扱いを明記しておくと説明がぶれません
二つの基準の成り立ち|なぜ日本には独自の「内部監査基準」があるのか
60年以上の歴史を持つ日本の基準
日本内部監査協会の「内部監査基準」は、1960年(昭和35年)に制定され、1977年、1996年、2004年、2014年に改訂されてきました。現行版は2014年5月23日の理事会で承認され、同年6月1日から適用されています。基準の説明や適用の参考として「内部監査基準実践要綱」が別に作成され、2017年3月からは内部監査実務委員会による「内部監査基準実務指針」が順次公表されています。
日本の基準が独自に作られてきた背景には、日本特有の監査制度があります。監査役(会)による監査、会計監査人の監査、金融商品取引法による監査など、法律に基づく監査が複数並ぶ中で、内部監査の位置付けを明確にする必要がありました。現行基準の第9章「内部監査と法定監査との関係」は、内部監査が法定監査の基礎的前提となるガバナンス・プロセス、リスク・マネジメント、コントロールを独立的に評価し、法定監査の実効性を高める一方、法定監査の結果も内部監査に活用すべき、と定めています。法定監査との相互補完を基準の中で明文化している点は、日本の基準の大きな特徴です。
「実施可能にして合理的である限り」という考え方
日本の基準の冒頭「内部監査の必要および内部監査基準の目的・運用」には、基準は組織体における内部監査にあたり「実施可能にして合理的である限り」遵守されなければならない性質のものだ、という一文があります。内部監査人は、基準の内容が実施可能で合理的かを判断して監査を実施し、自らの客観性を保持することが重要だとしています。
ここに、日本の基準と国際基準の関係を読み解く鍵があります。協会が公表した「内部監査基準改訂の背景および主な改訂点」は、改訂の背景の一つとして、IIA の国際基準の数次の変更を挙げ、これまで日本の基準への準拠が基本的には国際基準への準拠にもなるように改訂してきたこと、それを踏襲するために、国際基準の改訂箇所を日本で採用可能にして合理的と認められる限り尊重すること、を述べています。つまり日本の基準は、国際基準と別物として作られたのではなく、国際基準を日本の制度と実務に合わせて取り込む「翻案」の役割を担ってきたのです。
2025年、国際基準の側が大きく変わった
一方の IIA は、2024年1月9日にグローバル内部監査基準を公表し、2025年1月9日に発効させました。旧来の「内部監査の専門職的実施の国際基準」(2017年版)を、倫理綱要や使命などと一つの文書に統合し、5つのドメイン、15の原則、52の基準に再編しています。日本語版も IIA から公表されています。
日本の基準は2014年版のままなので、両者の間には約10年分の差が生まれました。この差を埋めるものとして位置付けられているのが、後述する協会の「適用ガイダンス」です。GIAS 自体の詳細はグローバル内部監査基準の改訂ポイントと自社対応で解説しています。
構成を並べて比べる|9章と5ドメイン
二つの基準の構成を並べると、扱う論点はほぼ重なり、並べ方が違うことがわかります。
| 日本の「内部監査基準」(2014年) | 対応する GIAS の主な箇所 |
|---|---|
| 前文 内部監査の必要および基準の目的・運用 | ドメインⅠ 内部監査の目的 |
| 第1章 内部監査の本質 | ドメインⅠ、用語一覧 |
| 第2章 内部監査の独立性と組織上の位置づけ | 原則2 客観性の維持、原則7 独立した位置付け、基準6.2 内部監査基本規程 |
| 第3章 内部監査人の能力および正当な注意 | 原則3 専門的能力の発揮、原則4 専門職としての正当な注意の発揮 |
| 第4章 内部監査の品質管理 | 基準8.3・8.4、原則12 品質の向上 |
| 第5章 内部監査部門の運営 | 原則9 戦略的な計画策定、原則10 監査資源の管理 |
| 第6章 内部監査の対象範囲 | 基準9.1 ガバナンス、リスク・マネジメント及びコントロールの各プロセスの理解 |
| 第7章 個別の内部監査の計画と実施 | 原則13・14 |
| 第8章 内部監査の報告とフォローアップ | 原則11・15、基準11.5 リスクの受容についてのコミュニケーション |
| 第9章 内部監査と法定監査との関係 | 基準9.5 連携と依拠(法定監査への特化した章はない) |

表からわかる発見は、GIAS には倫理に関する原則が5つ(誠実性、客観性、専門的能力、正当な注意、秘密の保持)並び、基準本体に組み込まれている点です。日本の基準では倫理は別の「倫理綱要」で扱われています。もう一つは、GIAS のドメインⅢ(内部監査部門に対するガバナンス)が、内部監査部門ではなく取締役会と最高経営者の役割を正面から扱っている点で、ここが両者の最大の違いにつながります。
主な相違点|7つの論点
実務に影響する相違点を7つにまとめます。日本の基準は条番号、GIAS は基準番号で示しています。
| 論点 | 日本の「内部監査基準」 | GIAS | 実務への影響 |
|---|---|---|---|
| 1 目的・定義 | 合法性と合理性の観点から評価し、意見・助言・勧告を行うアシュアランス業務と、支援を行うアドバイザリー業務(1.0.1) | アシュアランス、助言、インサイト、フォーサイトを提供し、価値の創造・保全・維持を支援する(ドメインⅠ) | 報告書で将来に向けた見通しをどう示すか |
| 2 組織上の位置 | 最高経営者に直属し、職務上取締役会から指示を受け、取締役会および監査役(会)等への報告経路を確保(2.2.1) | 内部監査部門長は職務上、取締役会に直属。部門運営上は最高経営者等に報告(原則7) | 指示・報告関係の規程上の書き方 |
| 3 取締役会の役割 | 基本規程・中長期基本方針・計画の最高経営者および取締役会による承認(2.3.2、5.1.3、5.3.1) | 各基準に取締役会と最高経営者の「必須条件」を記載。部門長の任命・解任の承認など | 取締役会との協議事項が増える |
| 4 戦略と成果 | 中・長期基本方針の策定(5.1) | 内部監査の戦略(9.2)、パフォーマンスの測定(12.2) | 年次計画の上位に戦略文書が必要 |
| 5 品質の外部評価 | 組織体外部の適格かつ独立の者により少なくとも5年ごと(4.2.3) | 少なくとも5年に1回。評価者のうち少なくとも1人は有効な公認内部監査人(CIA)。計画を取締役会と議論(8.4) | 評価者の選定条件が加わる |
| 6 業務の結論 | 内部監査人の意見、必要に応じ総合意見(8.1.2、8.2.4) | 発見事項の重要度の評価(14.3)と個々の業務の結論(14.5) | 格付け基準と結論の書き方の整備 |
| 7 法定監査との関係 | 第9章で相互補完を明記 | 他のアシュアランス提供者との連携と依拠(9.5)として一般化 | 三様監査の説明は日本の基準のほうが具体的 |
相違点の多くは「誰が内部監査を統治するか」に集約される
7つの論点を眺めると、多くが一つの問いに集約されることに気づきます。内部監査部門を統治するのは誰か、という問いです。日本の基準は、最高経営者への直属を前提に、取締役会や監査役等への報告経路を「確保する」書き方をとっています。GIAS は、職務上の指示・報告関係の軸を取締役会に置き、取締役会に内部監査部門を支える具体的な責任を求めています。
どちらが正しいという話ではありません。日本の基準は、経営者の下に内部監査部門を置くことが一般的な日本企業の実態から出発し、GIAS はガバナンス機関による監督を国際的な標準として示しています。この差を踏まえて、自社がどこまで取締役会との関係を深めるかを決めることが、両基準の関係を整理する出発点になります。
共通している点も多い
一方で、共通する考え方も少なくありません。品質の内部評価と外部評価の二本立て、5年ごとの外部評価、組織体が受容できない水準のリスクを経営管理者が受容していると判断した場合に最高経営者と話し合い、解決しなければ取締役会等に伝達する仕組み(日本の基準8.5.3、GIAS 基準11.5)などは、ほぼ同じ構造です。品質評価の実務は内部監査の品質評価(QAR)で詳しく解説しています。
日本の機関設計と「取締役会」の読み替え
GIAS の「取締役会(board)」は広い概念
GIAS の用語一覧は、「取締役会(board)」を、ガバナンスを担う最上位の機関と定義し、取締役会(board of directors)、監査委員会、理事会などを例に挙げています。さらに、複数のガバナンス機関が存在する組織体では、内部監査部門に適切な権限、役割及び責任を付与する権限を認められた一つ又は複数の機関を指す、としています。
日本の上場会社には、監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社という主な機関設計があります。GIAS の「board」を取締役会だけと読むか、監査役会や監査等委員会を含めて読むかで、規程の書き方は変わります。日本内部監査協会の適用ガイダンス一覧にも、用語「board〈取締役会〉」の項目が挙げられています(2026年9月時点では、公表年月の記載がある項目から順次公表されています)。
機関設計ごとの整理例
| 機関設計 | GIAS の「board」として主に想定される機関の例 | 規程で整理しておきたい点 |
|---|---|---|
| 監査役会設置会社 | 取締役会(加えて監査役会への報告経路) | 計画承認は取締役会、監査結果は取締役会と監査役会の双方に報告 |
| 監査等委員会設置会社 | 取締役会および監査等委員会 | 部門長の任免や計画への監査等委員会の関与の範囲 |
| 指名委員会等設置会社 | 取締役会および監査委員会 | 監査委員会の職務を補助する組織との関係 |
上表は一つの整理例であり、どの機関を「board」とみなすかは、各社の機関設計と取締役会の決議内容に応じて判断する必要があります。適用ガイダンスの公表内容を確認し、監査役等と協議したうえで決めてください。三者の役割分担は三様監査とは、報告の組み立ては取締役会・監査委員会への内部監査報告も参考になります。

コーポレートガバナンス・コードとの関係
上場会社の場合、コーポレートガバナンス・コードも関係します。2021年改訂のコードでは、内部監査部門が取締役会及び監査役会に対しても適切に直接報告を行う仕組みを構築すること等により、内部監査部門と取締役・監査役との連携を確保すべき、とされました。2026年7月21日の改訂版コードでは、この記載は原則の「解釈指針」に移されていますが、趣旨は引き継がれています。GIAS の職務上の取締役会直属という考え方と方向性が一致しており、日本の基準の「報告経路の確保」からさらに踏み込む根拠として使えます。詳しくはコーポレートガバナンス・コードと内部監査で解説します。
適用ガイダンス|日本の制度でGIASを使うための橋渡し
何が公表されているか
日本内部監査協会は、内部監査基準改訂委員会で GIAS の「適用ガイダンス」を検討しています。協会は、適用ガイダンスを、GIAS を日本の上場企業に適用するためのガイダンスであり、日本の法令や商慣習を考慮して GIAS を適切かつ効果的に活用することを目的とする、と説明しています。2026年9月時点で公表年月が示されている項目は次のとおりです。
| 対象 | 公表 |
|---|---|
| 用語一覧 internal audit mandate〈内部監査への負託事項〉 | 2026年6月 |
| 基準13.4 評価規準 | 2026年6月 |
| 基準14.4 改善のための提言及び改善措置の計画 | 2026年6月 |
| 基準13.3 個々の内部監査業務の目標及び範囲 | 2026年7月 |
| 基準15.1 個々の内部監査業務の最終的なコミュニケーション | 2026年7月 |
| 基準15.2 改善のための提言又は改善措置の計画の実施の確認 | 2026年7月 |
一覧には、ドメインⅡからⅤの多くの基準や、公共セクターでの適用も項目として挙がっており、作業が完了したものから順次公表するとされています。
ガイダンスの読み方の例
たとえば「内部監査への負託事項」の適用ガイダンスは、負託事項を内部監査部門の権限、役割及び責任とし、それぞれについて補足的な解釈を示しています。権限については、取締役会との直接の指示・報告関係から生まれ、組織体全体の記録、人員、物的財産への自由かつ無制限のアクセスにつながること、アクセス権が保証されていなければ責任の程度に影響し得ることを確認しておく必要があることなどが説明されています。規程の「権限」条項を見直す際の具体的な手がかりになります。
自社規程での準拠基準の書き方
3つの選択肢
規程に書く準拠基準には、主に三つの選択肢があります。
| 選択肢 | 規程の書き方の方向 | 向いている組織 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| A 日本の基準のみ | 協会の「内部監査基準」に準拠 | 小規模部門、まずは基盤整備を優先したい組織 | 国際基準の新しい要求(戦略、必須条件等)が取り込まれない |
| B GIAS のみ | GIAS とトピック別要求事項に準拠 | 海外子会社を多く持つ組織、CIA 保有者が多い部門 | 日本の法定監査との関係は規程で個別に補う必要 |
| C 両方を参照 | GIAS に準拠し、日本の基準と適用ガイダンスを参照 | 上場会社の多く | 両者が異なる場合の優先関係を明記する |
GIAS の基準4.1は、GIAS が他の権威ある機関の要求事項と併せて使われる場合、内部監査のコミュニケーションで、適切な場合には他の要求事項を使用していることにも言及しなければならない、としています。また、法令により GIAS の一部に適合することが禁止されている場合は、他のすべての部分への適合を求め、適切に開示することを求めています。選択肢 C をとる場合は、この二点を規程に反映しておくと整合がとれます。
条項の記入例(選択肢 C)
以下は架空の記入例です。そのまま使う場合も、自社の機関設計と取締役会決議に合わせて調整してください。
第○条(準拠する基準)
- 内部監査は、内部監査人協会(IIA)の「グローバル内部監査基準」及び適用されるトピック別要求事項に準拠して実施する。
- 前項の実施にあたっては、一般社団法人日本内部監査協会の「内部監査基準」及び「グローバル内部監査基準」適用ガイダンスを参照する。
- 法令又は定款と前二項の基準が異なる場合は、法令又は定款を優先する。この場合、内部監査部門長は、適合できない事項とその理由、代替措置を取締役会及び監査等委員会に報告する。
規程全体の構成は【テンプレート】内部監査規程で条文例とともに紹介しています。
見直しの手順チェックリスト
- 現行規程が引用している基準名・条番号を洗い出した
- GIAS の「board」をどの機関と読むかを監査役等と協議した
- 部門長の任免・計画承認・予算への取締役会の関与を整理した
- 準拠基準と優先関係、法令との矛盾時の扱いを条文化した
- 報告書様式に準拠基準の記載欄を設けた
- 規程改定案を最高経営者・取締役会と協議し、承認を得た
よくある失敗と対策
失敗1:「両方に準拠」と書いて優先関係を決めない
二つの基準の要求が異なる場面で判断がぶれます。準拠する基準と参照する基準を分けて書き、異なる場合の扱いを明記してください。
失敗2:規程だけ GIAS に書き換え、実務が日本の基準のまま
規程で GIAS 準拠をうたうと、品質評価ではその全基準への適合が問われます。戦略文書、パフォーマンス指標、発見事項の格付けなど、GIAS で新たに求められた要素が実務に存在するかを先に確認しましょう。
失敗3:「board」を取締役会と機械的に訳す
監査役会設置会社でも、監査役会への報告経路は日本の基準でも GIAS の考え方でも重要です。機関ごとの役割を整理せずに訳語だけ置き換えると、監査役等との連携が規程から抜け落ちることがあります。
よくある質問
Q1. 日本の「内部監査基準」は廃止されたのですか?
2026年9月時点で、日本内部監査協会のサイトには2014年改訂の「内部監査基準」が掲載され、並行して GIAS の適用ガイダンスが順次公表されています。廃止や改訂の公表は確認できていません。今後の扱いは協会の公表を確認してください。
Q2. 内部監査基準への準拠は法律上の義務ですか?
どちらの基準も民間の専門職団体が定める基準で、会社法や金融商品取引法が準拠を直接義務付けているわけではありません。ただし、2023年改訂の J-SOX の基準は内部監査人に熟達した専門的能力と正当な注意を求めており、基準への準拠はその説明の有力な根拠になります。外部監査人による内部監査の利用の観点は監査基準報告書610も参考にしてください。
Q3. 小規模な部門でも GIAS に準拠できますか?
GIAS は、小規模な内部監査部門について、要求事項に適合できない場合でも基準の意図を満たす代替措置をとり、その根拠を文書化する考え方を示しています。すべてを一度に満たそうとせず、ギャップ分析で優先順位を付けて段階的に進める方法が現実的です。
Q4. 研修や資格は、どちらの基準に沿ったものを選べばよいですか?
CIA は IIA の資格で GIAS が土台になり、協会の内部監査士などの認定は日本の実務に根ざしています。どちらも有用なので、部門の準拠基準と個人のキャリアに合わせて選ぶとよいでしょう。
まとめ
日本の「内部監査基準」は、国際基準を日本の法定監査制度と企業実務に合わせて取り込んできた基準で、2014年改訂版が現在も協会から公表されています。一方、GIAS は取締役会による内部監査の統治や戦略、品質の要件を大きく前進させました。両者の違いの多くは「誰が内部監査を統治するか」に集約され、その差を日本の制度に合わせて埋める役割を、協会の適用ガイダンスが担い始めています。
次の一歩は、自社規程の準拠基準条項を読み直し、GIAS の「board」をどの機関と読むかを監査役等と話し合うことです。どの基準をどう位置付けるかは最終的に自社の判断ですが、根拠と優先関係を文書に残しておけば、委員会での説明にも品質評価にも耐えられます。GIAS の全体像はグローバル内部監査基準の改訂ポイント、テーマ別の要求はIIAトピック別要求事項とはもあわせてご覧ください。規程の見直しや準拠基準の整理の支援をご希望の場合は、お問い合わせからご相談ください。
参考資料
- 一般社団法人日本内部監査協会「内部監査基準」(2014年5月23日理事会承認、2014年6月1日適用)、「内部監査基準改訂の背景および主な改訂点」 https://www.iiajapan.com/leg/guide/
- 一般社団法人日本内部監査協会「グローバル内部監査基準『適用ガイダンス』」 https://www.iiajapan.com/leg/guide/guidance/
- 一般社団法人日本内部監査協会「『グローバル内部監査基準™』(日本語版)公表のお知らせ」 https://www.iiajapan.com/leg/iia/info/2024/20240705_global_ia_std.html
- The Institute of Internal Auditors「Global Internal Audit Standards」 https://www.theiia.org/en/standards/2024-standards/global-internal-audit-standards/
- The Institute of Internal Auditors「グローバル内部監査基準」(日本語版)用語一覧、基準4.1、基準6.2、原則7、基準8.4、基準11.5
- 株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」(2021年6月改訂、2026年7月21日改訂) https://www.jpx.co.jp/
- 企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」(2023年4月7日)



